時間〈とき〉ラボ運営事務局 さん
1949年、生産現場のコンサルティング活動を行っていた日本能率協会が、「時間もまた資源である」という考えのもと、戦後まもない日本で初めて“時間目盛り”を採用した手帳として「能率手帳」を発行しました。その後、人材育成支援事業、手帳事業、出版事業等の事業部門を集約し、1991年に日本能率協会から分離独立する形で㈱日本能率協会マネジメントセンター(略称:JMAM)が設立されました。
「#JMAM手帳を知る」では、手帳づくりの舞台裏を垣間見たり、歴史を振り返ったり……。社員すら知らない!?情報も盛り込みながらJMAMが手がけてきた手帳のあれこれを毎回いろんな角度からお伝えしていきます。
今回は、2021年12月1日にときラボがオープンした際、記念すべき第一弾のコラムで登場いただいた藤原しおりさんに、NOLTY手帳のメイン工場へ来ていただき、NOLTY手帳の品質を支える手帳づくりを見学いただきましたので、その様子をお届けします。
藤原さんとはときラボでのインタビューをきっかけに交流が始まり、ありがたいことにNOLTYの手帳づくりに大変感銘を受けられ、「手帳が作られている様子を見てみたい」と以前から話されていました。引き続き新型コロナウィルスの感染が続く中、工場に来ていただくタイミングを見計らいつつ、感染が落ち着いたとある時期に今回の工場見学が実現しました。
ときラボでは以前、「手帳専門工場・新寿堂の手帳づくり」というコラムで計3回に渡り、手帳製造工程をご紹介しました。今回は、品質にこだわる新寿堂が特にこだわっている推し工程や大事な工程にフォーカスを当て、藤原さんが見学されて「ここがすごい!」「改めて手帳が好きになった!」など、藤原さん目線のポイントも交えながら改めてご紹介します。
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藤原しおりさん
ブルゾンちえみとしての活動を経て、現在はラジオのパーソナリティーなどの活動をされています。書くことや紙(ノート・手帳など)の手触りや書き心地、文房具が大好きだそうです。
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見学いただく工場は、JMAMのグループ会社である新寿堂(しんじゅどう)。ときラボでは2022年9月に開催したイベント、オンライン工場見学会のときにもお世話になった製本会社です。
▲1952年設立。手帳専門の印刷・製本技術が高い会社です。
工場見学を始める前に、新寿堂の常務・雲野さんと二宮さんより手帳の製造工程を藤原さんへご紹介。
▲新寿堂の生産管理の現場を仕切る雲野さん(右)と二宮さん(左)。
▲新寿堂ではNOLTY以外にも学生手帳を作っています。その話を聞き、学生手帳のトレンドについて盛り上がったぐらい手帳愛が溢れている藤原さん。
<NOLTYの代表的なアイテムである能率手帳を例にした製造工程>
▲今回の記事では手帳づくりにおいて特に大事な工程の断裁をご紹介。より詳しい製造工程に関しては コチラ をご覧ください。
印刷工程が終わった用紙は、手帳を作るために必要なサイズにカットする【断裁】と呼ばれる工程が行われます。「製本の質は断裁で決まる」と言われているぐらい大切な工程で、製本工程の“出発点”と言われています。
印刷された紙は、季節や気温、湿度によって正確な四角形になっていません。その紙を同じサイズにカットするために、印刷後しばらく寝かせて紙にインクを馴染ませ、それから重ねた用紙を整えていきます。
この「印刷された紙を整えること」が断裁前に行う大切な工程です。
どのように用紙を整えるのか、というと・・・
印刷済みの用紙を機械にセットして・・・
機械がプレスすることによって紙の端から空気をくまなくしっかり抜いていきます。
紙と紙の間の空気が抜けピッタリ重なり用紙が整いました!これで断裁前の準備が完了です。
▲「そもそも紙が伸び縮みするなんて、普段当たり前に使っている手帳がそんなところに気を付けて作られていたなんて知りませんでした・・・」と藤原さん。
空気を抜いた紙を、いよいよ【断裁】していきます。断裁機にかけて、約0.2mmのとんぼと呼ばれる断裁線の中心を機械で一気にカット。
用紙が曲がっていないか、機械のセンサーでチェックし・・・
カットしていきます。紙を切る時、“ヒューンイ”という独特な音が。
▲このように断面の面が上から下まできれいにつながっていることが、正確で美しい断裁である証拠。
担当者が機械で一気に切っていきますが、0.数ミリのズレもわかるぐらいの経験値が必要となるポジションです。また断裁の工程で、そもそも印刷自体が用紙に対して曲がっていることに気づくことも。その場合は印刷からやり直します。雲野さんから「印刷は一部パートナー会社さんへ外注しているので、ここで印刷会社とよくもめます」という説明に、厳しい手帳づくりの姿勢に理解を示しつつも藤原さんは大笑い。
藤原さん、何か気づいたようです。
実は、断裁機の台にたくさんの丸いボールが埋め込まれているんです。大きな紙がスムーズに動かせるように、この丸いボールから空気が出ています。
断裁機に用紙をセットする工程を藤原さんに体験していただきます。
断裁の目安となる0.2mmの線を確認。
紙の縦横幅を整えて断裁機にセット。
セットするときも、このように少し紙が弛んでしまうことも。目視で気づき、調整して、断裁します。
▲断裁された紙の切れ端は、リサイクルされて再生紙に。
紙好きな藤原さんは「気持ちがいいですね」と、この切れ端を愛おしそうに撫でたりされていました。切れ端だけど、この幅・長さがきれいに束になっているところに魅力を感じるそうです。さすが紙フェチ!触り心地を堪能されていました。
数ミリのズレのない断裁が、NOLTYの使い心地につながっています。手帳は書籍や雑誌と違い、使っていただく方が書き込んでいくものなので印刷面が少ない。だから左右や表裏で罫線がズレていると分かりやすいんです。ここがズレていると、いくらこの後の製本工程がしっかりしていても、手帳を重ねたときに罫線がずれてしまい気持ちが良くありません。
この話を聞いた藤原さんは「だから手帳の製造工程ってこんなに繊細なんですね!紙は生き物、ということがよくわかりました。紙って当たり前に存在しているものというか、紙こそ一番機械的にできるものだと思っていたんです。ただの四角い紙ですし。まさかこんなにズレるの!?って。こんなに人の手が加わる工程だなんて。」と驚かれていました!
・・・今回はここまで。次回は、「折り」以降の工程をご紹介します!
―― 藤原しおりさんと巡る手帳製本工場シリーズ全3回掲載 ――
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【 #1 後編 藤原しおりさん 】その時に感じた感情を自分に覚えさせるために書く
【藤原しおりさん】過去に抱いた感情を振り返り、自分の未来を自分で創っていく
【2022年9月10日】オンライン工場見学&ファンミーティング イベントレポート
めい さん
とても読み応えがあり、手帳好きにはたまらないレポートでした!
いつもありがとうございます🥰楽しいです!!
時間〈とき〉ラボ運営事務局 さん
こちらこそレポート楽しんでいただきありがとうございます‼️
続きを近日公開予定ですので、どうぞお楽しみ😌✨