#5 手帳専門工場・新寿堂の手帳づくり②

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1949年、生産現場のコンサルティング活動を行っていた日本能率協会が、「時間もまた資源である」という考えのもと、戦後まもない日本で初めて“時間目盛り”を採用した手帳として「能率手帳」を発行しました。その後、人材育成支援事業、手帳事業、出版事業等の事業部門を集約し、1991年に日本能率協会から分離独立する形で㈱日本能率協会マネジメントセンター(略称:JMAM)が設立されました。

 

「#JMAM手帳を知る」では、手帳づくりの舞台裏を垣間見たり、歴史を振り返ったり……。社員すら知らない!?情報も盛り込みながらJMAMが手がけてきた手帳のあれこれを毎回いろんな角度からお伝えしていきます。



今回もNOLTY手帳のメイン工場である株式会社新寿堂にお邪魔して、こだわりの手帳づくりについてお届けします。

 

 

前回の記事では、手帳と一般的な書籍との製造工程の違いから、印刷~断裁といった手帳づくりのベースとなる部分までをご紹介しました。今回の記事では、徐々に手帳の形に仕上げていく製本の工程をご紹介します!


▲NOLTYの代表的なアイテムである能率手帳を例にした製造工程。今回の記事では折り~背巻きまでをご紹介します。



大きな紙1枚が手帳の16ページに!?


今回も事務局スタッフ全員大好きな二宮さんが案内してくれました!


▲新寿堂でお馴染みの二宮さん!今回もビシッと?…決めてくれています!

 

 

0.2mmの線を断裁するという特殊技術でカットされた紙ですが、実はまだかなり大きいサイズなんです。

 

 

〜前回の裁断のおさらい〜

 

すごーーーく大きな紙に・・・


微調整をしながら引かれている0.2cmの線を確認し、印刷した紙を置くに突き当てると・・・


左側がほんの少し短いので、薄い紙を奥に入れて手前が平行になるよう微調整して・・・


一気に断裁!


0.2cmの線をきれいにカット!



〜断裁のおさらいはここまで〜

  

 

断裁する紙ですが、実はこんなに大きいんです!


実は、この大きな紙1枚には、16ページ分が印刷されているんです。JMAMの手帳は1年間の開閉に耐えられるくらい強く、しっかりした手帳を実現するため、“糸かがり製本”という製本形式で作られている手帳がほとんどです。“糸かがり製本”とは、糸でかがる仕様の手帳のことで、1枚の大きな紙を折り畳んで手帳の16ページ分を作り、それを束ねて、1冊の手帳に作り上げていくんです。



▲これは断裁された紙を1枚につき3回折り返し、高速で16ページの束にしていく機械です。

 

 

担当者が束の罫線が左右のページでズレていないかを細かく確認します。

 


▲「折りの精度で手帳の中身が決まっちゃいますから。3分に一度は抜いて検品しています。」勤続35年の大ベテラン・樋山さん。断裁や折りの工程に長らく携わっています。



使われる手帳用紙の紙の厚さや手帳のサイズによって折り方も変わるので、商品ごとに機械の調整が必要になります。手帳は罫線が多く左右のページでのズレ、1枚1枚重ねたときの罫線のズレが目立ちやすいんですが、必ず自分の目でしっかり確認し、気温・湿度に合わせて常に安定させる技術は、新寿堂の誇れる伝統技術だと思います。


▲NOLTYなど、JMAMの手帳を持っているメンバーさんにはぜひ確かめていただきたいのですが、手帳を開いたときに左右のページで罫線のズレがほとんどありません。また、前後のページもきれいに罫線が重なっているんです。



順番に積み重ね、糸で結合する


続いては、16ページに折った束をページの順番通りに積み重ねてまとめていきます。これは丁合い(ちょうあい)と呼ばれる工程ですね。折った束をこの丁合機に乗せてページ順にまとめていきます。


▲奥から積み重ねる順番通りに束(1束16ページ)が並んでいます。

 

 

ページの抜け、順番の違いなど、いわゆる乱丁・落丁といったミスが起こらないよう、一目で正しく順番通りになっているかが分かる「背標(せひょう)」と呼ばれる目印を付けています。

 

▲きれいに斜めに背標が揃っている様子。

 

丁合いが終わったら、次はそのまとめた束たちを糸で綴じていきます。



糸の緩みなどがなく、ちょうど良い糸の状態になるように調整しています。


▲1冊分に積み重ねて結合させるため、背の部分を糸で縫い合わせます。これが1年間の開閉に耐える強度を保つための糸かがり製本。



しなやかな開閉に配慮しつつ、 さらに補強を重ねる


糸でかがった後は、機械に手帳を通して背の部分を専用の糊で固め、寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれるガーゼのような巻きもので補強していきます。

 

まず糊で固める際に注意しなければいけないのが、奥まで染み込んだりしないよう適量の糊を塗布することです。


▲糊が奥まで染み込んでしまうと手帳の開きが悪くなってしまうとのこと。この糊も季節によって量を調整しています。

 

 

糊で固めたら、強度を上げるために寒冷紗というテープを巻きます。このテープはとても厚い百科事典にも使われるような補強テープで、背が割れて崩れたりしないよう保護する役割を担っています。



▲手帳の背部分に寒冷紗が貼られています。

 

 

 次はいよいよ仕上げの工程に入っていきます。



・・・と、今回はここまで。次回は、全3回の連載コラムの最終回をお届けします!




\ときラボメンバー限定オンライン工場見学会/

2022年9月頃に開催を検討しています。

次回3回目のコラムにて募集を開始予定なので、お楽しみに!



\NOLTY公式Instagramで動画公開中/

今回のコラムでご紹介した工程の様子を「ひたすら○○シリーズ」と題して動画でご紹介しています。

より記事の内容がお分かりいただける動画になっておりますので、是非こちらも合わせてご覧ください!


①糸でかがっている動画(かなり高速なのでなかなか難しいです…)

②補強テープである寒冷紗を手帳の背に貼る動画

※音をお楽しみいただくために現場の音を入れております。視聴の際は音量にご注意ください。

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動画だとまた迫力が違いますね〜!全部、機械化できるものだと思っていましたが、想像していたよりも職人仕事なんですね。”手帳を開いたときに左右のページで罫線のズレ”、自分のノルティでも確かめてみました!気付いてなかったですが、見た目がシンプルなのは、線のズレなどがないからなんだなと思いました。他社さんの手帳も確認しましたが、結構ずれているもんなんですね^^;小さなこだわりを感じました。

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2022.07.25

わくわくしますね。手帳が100均でも売っている時代に、このこだわりようがすごいですし、このストーリーを知って使っていると、いいものを使っている自分ってなんか素敵!っていう気分になります。あと工場見学に行ってみたいです〜!!二宮さんのファンになりつつあるので、二宮さんとのファンミーティングをやってほしいです(図々しくてごめんなさい💦)

返信する
2022.07.25