#4 手帳専門工場・新寿堂の手帳づくり①

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1949年、生産現場のコンサルティング活動を行っていた日本能率協会が、「時間もまた資源である」という考えのもと、戦後まもない日本で初めて“時間目盛り”を採用した手帳として「能率手帳」を発行しました。その後、人材育成支援事業、手帳事業、出版事業等の事業部門を集約し、1991年に日本能率協会から分離独立する形で㈱日本能率協会マネジメントセンター(略称:JMAM)が設立されました。


「#JMAM手帳を知る」では、手帳づくりの舞台裏を垣間見たり、歴史を振り返ったり……。社員すら知らない!?情報も盛り込みながらJMAMが手がけてきた手帳のあれこれを毎回いろんな角度からお伝えしていきます。




今回は手帳を作り続けて70年の歴史を誇り、NOLTY手帳のメイン工場である株式会社新寿堂にお邪魔して、NOLTY手帳の品質を支える手帳づくりを取材してきました。

 

1年間の使用に耐えられる優れた手帳を製造するためには、実に多くの工程と高いレベルの精度管理が必要となります。機械に頼るだけではなく、熟練の職人技とこだわりによって生み出される1冊の手帳。手帳が出来るまでの様子を全3回にわたってお送りします!



第1回目は、手帳と一般的な書籍との製造工程の違いから、手帳が完成するまでの工程の中で、印刷~断裁といった手帳づくりのベースとなる部分までをご紹介いたします。




手帳製本と一般的な書籍の製本との違い


新寿堂といえばこの人!?生産管理責任者の二宮さんのもとへ伺いました。今回はいつにもましてビシッと決めてくれています…!

 

JMAMのグループ会社である新寿堂は製本会社です。市販されているNOLTY手帳のメイン工場として手帳づくりをしていますが、実は企業様向けの手帳や学生手帳、ノート、一般書籍なども生産しています。



手帳の製本と一口に言っても、実は一般書籍とは作る工程が全然違うんです。



▲手帳製本と一般書籍の製本の主な違い。



一般書籍は規定サイズで生産されることが多く、仕様が統一されているので1つのラインで量産が可能です。対して手帳は規定サイズ以外の商品も多々あり、個々の商品によって仕様も様々なので、工程別に生産ラインを組まなくてはなりません。その分、工場には設備や人も必要になりますし、工程の段取りを変えることで時間も掛かる。実は同じような見た目でも手間が全然違います。その反面、モノづくりとしては色々なパターンの商品が出来上がるので、自由度は高いんです。


手帳と一般書籍を生産する工程の違いを分かっていただけたところで、NOLTYの代表的なアイテムである能率手帳を例に、製造工程をざっとご紹介するとこのような流れになります。


▲ざっとと言ってもこんなに多くの工程が…!今回の記事では印刷、断裁の工程をご紹介します。





文字や罫線などの色を厳しくチェック



まず、製紙工場でつくられたJMAMオリジナルの手帳専用紙に、手帳のレイアウトを印刷していきます。

 



▲JMAMオリジナルの用紙に印刷するときの刷版です。

 


実は新寿堂のように製本工場で印刷工程があるのは、本当に珍しいんです。


▲取材中なかなかおもしろい社内ポスターを発見しました…!「印刷部が最近元気なんだよね」と二宮さん。

 

 

人も場所も設備も必要になるので揃えるのも大変ですし。見やすく目に優しいことにこだわった印刷は、濃度などによって見え方が違ってくるので、自社で厳しく管理するために一部印刷の工程も担っています。

 

▲ 「特に新寿堂は手帳に特化した工場なので仕上がりが丁寧だと自負しています。」そう語ってくれたのは、印刷の工程に携わって30年以上のベテラン・尾形さん。

 

手帳に印刷される図柄って雑誌などに比べると少ないですよね。一見、印刷される部分が少ないから印刷も簡単だと思いがちなんですが、実は逆なんです。印刷の面積が少ないからこそ、わずかなズレや文字の滲みが目立ってしまう。印刷のクオリティが手帳の完成度を大きく左右するんです。

 


時間や天候、機械のコンディションや紙の状態などで印刷状況も変わります。作業中は印刷機に張り付いてインクの濃度やPH値などを細かく調整しながら、数分おきに刷り上がりを機械で測定すると同時に目視でもチェックします。


▲コンマ何mmというレベルの調整。小さな誤差を見逃さないことが、最終的な見た目の美しさに繋がるという。

 

インクが乾くと色の見た目も変わるんですよね。そういったところまで予測しながらチェックしていきます。また、インクも手帳としての機能性を考慮して曜日がはっきりと認識できる色合いになるよう特別に練り上げたインクを使っていたりします。


▲紙も特殊なので、インクの出し方をその都度調整する必要があります。


▲汚れやかすれがないか、しっかりチェックを行います。このように人が何度も確認することで【JMAM品質】が担保されています。


▲実はインクもオリジナルなんです。



0.2mmの線を半分にカット


印刷工程が終わると、次は刷り上がった紙の四隅を切り落とす「断裁」という工程に入ります。

 

手帳専用紙が出来上がった時には大きなロール状で、それを製紙会社でカットしていくのですが、四角形が若干歪んでいるんですね。紙も生き物なので。この断裁という工程は、四隅を切り落とすことで手帳を作るために必要な部分を正確に切り出します。

 

まず、数百枚の紙の束を、空気を抜きながら断裁面をそろえていきます。

▲職人の手作業と機械を使って、断裁時にズレないよう紙の間の空気を抜きます。


次に、そろえた数百枚の紙を断裁機にセットします。その際、印刷用紙が伸縮していたりゆがんだりしていると、担当者が紙の束と断裁機の間に紙を挟み込み、微調整を行います。

  

微調整が済んだらいよいよ紙の束をカットへ。その際に目安にするのが0.2mmの※トンボ線。0.2mmの線の真ん中をカットするので、高精度で断裁できると断裁後は0.1mmの線が残った状態になるんです。

※断裁するための位置を記すマーク・線のこと



▲美しく断裁できたことを示すトンボ線のグレー帯。

 

ここで、紙のゆがみを最小限にし、正確な四角形に断裁することが、その後のズレない製本工程のベースとなります。なので、ここの精度はとても大切なんです。


・・・今回はここまで。次回は、断裁を終えた用紙が徐々に手帳の形になっていく工程をお届けします!



そして・・・オンラインでの実施を予定しておりますが、

9月頃にときラボメンバー限定でオンライン工場見学会を計画しています!



参加してみたい!というメンバーさんがいらっしゃったら、

是非参加日時に関してご意見をコメントで教えてください!

今のところ以下のどれかで開催を予定しています。


(1)平日昼間(11:30~13:00頃)

(2)平日夜(19:30~21:00頃)

(3)土曜昼間(14:00~16:00頃)


3回目のコラムにて募集を開始したいと思いますので、

どしどしご意見お寄せください!!



\NOLTY公式Instagramで動画公開中/

今回のコラムでご紹介した工程の様子を「ひたすら○○シリーズ」と題して動画でご紹介しています。

より記事の内容がお分かりいただける動画になっておりますので、是非こちらも合わせてご覧ください!


①手帳の見返し用紙(手帳の1番初めの少し厚めの紙)を印刷している動画

②断裁前に紙と紙の間に入っている空気を抜く動画

③印刷した用紙をズバッと切る断裁

※音をお楽しみいただくために現場の音を入れております。視聴の際は音量にご注意ください。

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手帳の印刷って、こんなに細かい作業が行われているんですね。想像すらしていませんでした。いろいろ知りたいので、ぜひ参加したいです。

(2)平日夜(19:30~21:00頃)

(3)土曜昼間(14:00~16:00頃)

希望です。


返信する
2022.06.29

わたしは方眼ノートに自分で線をひいてフォーマットをつくった手帳を使っているので、

方眼の水平ズレ、表裏の線のズレ、ページによる方眼の位置ズレ、すべてが致命的です。

NoltyNotebookは紙質も方眼もとても気持ちが良いのですが、印刷会社さまの賜物ですね!


オンライン工場見学、参加できると嬉しいなあ。

(1)が第一希望ですが、(3)でも何とかなるかも。

返信する
2022.07.02

オンライン工場見学会に参加したいです。今の予定では(3)と思います。

返信する
2022.07.04