時間〈とき〉ラボ運営事務局 さん
みなさんこんにちは、時間〈とき〉ラボ運営事務局です。
日々の予定や気持ちを手帳に書き留めるといった、“書くこと”は、ときラボメンバーさんにとっては自然な習慣かもしれません。「書くと頭が整理される」「気持ちが落ち着く」…そんな感覚を、きっと多くの方が実感しているのではないでしょうか?
その“なんとなく感じている手書きの良さ”を、科学的に解き明かそう!という動きが今まさに進んでいます。NOLTYをはじめ、大学や企業、専門機関が力を合わせて活動している「手書き価値研究会」です!
手書き価値研究会は、一般社団法人応用脳科学コンソーシアムが主催し、東京大学や企業・団体が参画して発足した研究会です。東京大学酒井研究室の脳科学的研究を軸に、企業や団体の知見・事例を集め、「手書きの価値」を教育現場だけでなく、社会全体に伝えていくことを目指しています。
参加しているのは、東京大学、NTTデータ経営研究所、日本紙パルプ商事、日本漢字能力検定協会、日本能率協会マネジメントセンター、そしてパイロットコーポレーションといった多彩な団体。それぞれが異なる立場から「書くこと」の重要性を見つめ、知識や事例を共有しています。
2025年春から夏にかけて、研究会では大学生・大学院生など1,000名以上を対象に大規模アンケートを行いました。テーマは「読むこと」「書くこと」の実態です。
結果を少しご紹介すると――
- 調査対象1,062名のうち、講義内容を記録する習慣がない学生は約10%も(107名)。
- 日常的な予定管理(紙・電子問わず)を行っていない学生は全体の約24%(255名)。
- 本や新聞・雑誌を読む学生は、メモや日記など複数の場面で書く傾向が強い 。
- 反対に、日常的に書く学生は、読む時間も長くなる傾向がある。
さらに、「講義の記録や読書習慣がある学生ほど国語問題の成績が高い」という相関も明らかになっています。つまり、日常的な書く・読む習慣は、文章理解力や論理的思考力と関連しており、読むことと書くことをバランスよく行うことが学習効果を高める可能性があるということです。
手書き価値研究会では現在、「手書き」と「デジタル入力」とで理解や発想にどんな違いがあるのかをMRIを用いて脳科学的に検証する実験を進めています。
具体的には、同じ内容を手で書いた場合とキーボード入力した場合で、記憶や思考に違いが生まれるのかといったもの。内容理解の深さや、創造的思考の広がり、そして脳の反応にどのような差が現れるのかを調べています。
この研究が進めば、感覚や経験としての「手書きの良さ」が、科学的に説明できるようになるかもしれません!
長年「手帳」というツールを通じて、人々の時間の使い方や思考整理をサポートしてきたNOLTYは、この研究会の一員として、手書きの価値を社会に発信する活動に関わっています。
近年では、多くの人が手帳を使うときに「ただ予定を書く」だけでなく、「やりたいことを整理する」「気持ちを言葉にする」「未来を描く」といった作業を自然に行っています。これこそ、手書きの持つ力を日常生活で活かしている一例と考えています。
手書き価値研究会の調査でも「予定管理をまったくしていない学生」が2割以上いたことが明らかになりましたが、逆にいえば、予定を記録するだけでも学習や生活の質が変わる可能性があるといえますよね。
「何かを書かないと!」「もっと書こう!」と義務感で取り組むのではなく、大事なのは、少しでも「書く時間」を自分なりに楽しむこと。
授業のノートを、図や色を使って自分らしくまとめてみる
手帳に予定と一緒に、その日の感想や気づきを一言書き添える
読んだ本の中で心に残った言葉をメモしてみる
そんな小さな一歩が、学びや日々の生活を豊かにしてくれるかもしれません。NOLTYはこれまで培ってきた手帳づくりの知見を活かし、「手書きの時間」をより豊かにする取り組みを進めていきたいと思います。
ときラボのユーザーのみなさんにとっても、「書くことをどう楽しむか?」はこれからの大きなテーマになるはず・・・!研究の進展とともに、みなさんの日常にも役立つヒントをお届けしていきます。
▽本研究に関わるリリース全文はコチラからご覧いただけます