侍タイガスリッパー:5

8

コメント:0件

 ドラマは耕書堂の日本橋進出(天明3年)に向けていよいよ佳境に入る。鳥居清長が浮世絵版画のプレーヤーから鳥居派四代目としてマネジャーに徹するのが満年齢35歳の年(天明7年)だ。このとき蔦屋重三郎は37歳,喜多川歌麿は32,3歳だろう。この年,松平定信が老中になり,“質素倹約”の寛政の改革が始まると,世の中から華やかさが失われていく。失脚していた田沼意次も翌年没する。10年後,蔦重は亡くなり,おそらく『べらぼう』もこの辺りで幕引きだろう。単純計算なら放送2回で1年くらいを描くのか。

 一方,鳥居派は現代にまで続く300年企業だ。鳥居清長は,絵師としての技量以上に,鳥居本家の血筋でない中継ぎ社長としての役割を実直に果たした。大河ドラマの主役にはなれなかったが,大江戸版「プロジェクトX」なら十分だろう。…以上をもちまして「侍タイガスリッパー」も終演といたします。

8 件のいいねがありました。

コメントをするには、ログインしてください。
会員登録がお済みでない方はご登録ください。