時間〈とき〉ラボ運営事務局 さん
「わたしと書くこと」では、手帳やノートなど“書くこと”で、時間〈とき〉をデザインしている方・実現しようとしている方にお話を伺い、書くことの意味や書くことでの変化などをご紹介していきます。
今回ご紹介するのは、note株式会社でデータアナリストを務めるmasaru3n(マサルさん)です。スケジュール管理にとどまらず、自身の振り返りや、やりたいことのために手帳を書かれており、現在は5冊の手帳を併用中。マサルさんにとって手帳とは、その中身や使い方を取材してきました。
masaru3n:昔から自己流でなんとなくスケジュール帳を使っていましたが、本格的に手帳を使い始めたのは、2009年に「7つの習慣-完訳 人格主義の回復」を読んだことがきっかけでした。書籍の内容に感化され、時間の有効活用や目標管理のために手帳を使いこなしてみようと思ったんです。
その頃、とあるきっかけで仕事を辞めて大学院に通っており、アメリカ・ロサンゼルスの大学に3ヵ月間、交換留学に行けることになったんです。そこで、当時使っていた持ち運びに向かない厚みのある手帳をやめて、1日1頁たっぷり書き込めるほぼ日手帳を購入して持っていきました。
A6サイズとコンパクトなのに1年間の記録ができるのが魅力で、そこから長い期間『ほぼ日手帳』をメイン手帳にしていました。高田晃さんが主宰しているMy手帳倶楽部(MTC)にも参加し、ストイックに頑張っている人たちの影響も受けながら、いろんな時間〈とき〉の使い方や手帳の使い方を考えています。
masaru3n:もともと文房具が好きなので、銀座の伊東屋に行くことがあったのですが、あるとき「システム手帳サロン」というものが開催されていることを知り行ってみました。Instagramの投稿などでシステム手帳のことが気になっていたこともあって、ダ・ヴィンチのミニ6サイズのバインダーを購入してみたんです。思い返すと、そこからシステム手帳の沼にハマったなと感じますね(笑)
初めに購入したミニ6サイズのシステム手帳はやはり小さく、1年後にブレイリオのバイブルサイズの手帳を購入。その後、資格試験に合格した記念に、システム手帳サロンでKNOXのバイブルサイズを購入しました。ほかにも、イベント限定品に惹かれてプロッターのA5サイズのバインダーを購入したり、現在はKNOXのエイジングプロジェクトにも参加していたりと、冊数が増えてきています。
同じサイズのものを複数持っちゃうと、どっちを使っていいか困ってしまうと思うので、なるべく1サイズ1種類までにしようと思ってはいます。リングサイズが異なるものなら…とか思ったりもしちゃうんですけどね(笑)
masaru3n:左上段からNOLTY『能率手帳ゴールド』・KNOX『エヌピアス(エイジングプロジェクト参加中)/ミニ6サイズ』・KNOX『フラクト/バイブルサイズ』・PLOTTER『リスシオ/A5サイズ』。真ん中下段、ほぼ日手帳『オリジナル』の計5冊を使っています。
3冊のシステム手帳に加えて、長年使っているほぼ日手帳、そして、去年から使い始めた『能率手帳ゴールド』を併用し、異なるサイズの手帳を使い分けています。
バイブルサイズの母艦手帳には、好きな漫画の心に響いたシーンや言葉、娘に書いてもらった絵や手紙など、大切にしたい価値観や言葉のほか、年間の目標やこれまでの出来事なども記録しています。基本的には持ち歩かず、自宅で開き、見返したり、書き足したりしています。
▲左には2023年、右には2022年の1年間のあったことが記載されています。2年間を見開きで俯瞰し、振り返ることができるのも、システム手帳ならでは。
A5サイズはメモやノートとして、ミニ6サイズは今日の学びやチャレンジなど思いついたことを書くものとして持ち歩き、ほぼ日手帳には1日の出来事や考えを綴り、『能率手帳ゴールド』には、“やりたいこと”を書き込んでいます。
能率手帳ゴールドに興味を持つきっかけとなったのは、『能率手帳の流儀』を読んだこと。本革製の『能率手帳ゴールド』はいつか使ってみたいと思っていたんです。
▲左にはスケジュールや今日やりたいことを、右には学んだことや得たこと、感じたことをメモ。
能率手帳ゴールドを購入する前は、「本当に使いこなせるか」という不安があったので、まずは同じレイアウトの『能率手帳1』を購入して試し使いをしたりもしました。能率手帳ゴールドは仕事のことだけでなく、自分のために使える時間を視覚化し、計画を立てたり振り返ったりする時間を作るためのツールとして活用するようになりました。
masaru3n:手帳ごとの書き方とかルールは厳密に決めているわけではなく、思い付きで始めてみることの方が多いです。すぐ飽きて続かないこともよくありますが、それを含めて楽しんでいます。
最近始めたルールは2つ。1つは「予定にB・P・Fの印を付ける」です。Bは仕事(Business)、Pは自分のこと(Private)、Fは家族(Family)の頭文字で、1週間を振り返る際にどれくらいの時間をどのカテゴリに費やしたかを確認できるものです。
この週は○○を頑張っていたなと振り返りができて、だいたい月~水曜日は仕事(B)が多いんですよね。なので、週の後半からは家族(F)を増やそうといったように、仕事とプライベートのバランスを見直すきっかけになったりもしています。
マイルール2つめは、「1週間を日曜日から始める」です。
これまで月曜始まりのレイアウトを使用していましたが、月曜の朝一番にその週のプランニングから始めるのは、時間がもったいないかもと思ったんです。土曜日に振り返りをして日曜日から1週間をスタートさせることで月曜日に良いスタートダッシュができている気がします。
1週間のプランニングや振り返りには自作のリフィールを活用中。何か気になったらそこを変更し、使っていく・・・改良を重ね試行錯誤の工程も楽しみながら、気軽に試している感覚です。
▲システム手帳は自分で作ったレイアウトも追加しやすい。
ちょうど4月から子どもが中学生になり、土日に百人一首を習い始めました。子どもが頑張っているなか、だらだら過ごしてしまうのはもったいないという気持ちもあって、頑張らなきゃと思っています。最近は思春期で寂しい思いもしていますけどね(笑)
堅苦しく話していますが、色々頑張りたいと思いつつも、そこまで頑張れない自分を知っているので、できることを継続・できる範囲で頑張りたいなと思います。
masaru3n:“手帳時間“も決まった時間を作っているわけではなく、1日の中で夜に5~10分とっている日もあるという感じです。疲れているときはすぐ寝ちゃいます。それでも、やっぱり“手帳に触れる時間“が好きなんですよね。特にシステム手帳などの革製品は、使い込むごとに風合いも増して、愛着はどんどん高まります。
最近はデジタルツールが便利になり、できることも増えていますが、デジタルでは書けるスペースが限られていることが多いため、“アイデアを収束させるもの”というイメージがあります。これに対し、手で紙に書くことは開放感があるというか、自由な発想やイメージが広がっていく感覚があります。
万年筆を使い始めてからは、文字を書くときに文字の大きさやインクの濃淡が異なるため、開放感がますます増したと思います。またなにかにしんどいなと思うときも、ワーッと紙に書き出すと気持ちがスッキリしますし、手帳はアイデアや感情などを整え、心をフラットにしてくれるアイテムだと思っています。
▲青いペリカンの万年筆は太い線なので、頭の中のものをアウトプットするときにストレスなくかけるところが気に入っているポイント。また手作りのペンホルダも万年筆のキャップが外れないように設計されて作られたそうです。
また、システム手帳と綴じ手帳は、それぞれ良さがあります。システム手帳は何も考えずに考えたことや思ったことをバーッとアウトプットするのにとても向いていると思います。リフィールを入れ替えてカスタムができるので、書き損じたページは簡単に捨てられますし、考え方に合わせてページを入れ替えて、自由度高く使えるのが良い所ではないでしょうか。
一方、綴じ手帳は長期の保存に向いていると思います。何年後とかでも振り返りやすくて、片付けの際についつい見ちゃうときありますよね。今回の取材の前も、子供の小さい頃の写真や当時の日記的なメモを見つけては、奥さんと当時の思い出話に花を咲かせ懐かしんでいました。
“自分のタイミングで書ける、見返すことができる” 手帳だからこそできることが、自分の成長だったり、やりたいこと、自分の原動力になるなと話をしていて改めて思いました。手書きの良さが、あらためて若い人にも広がっていたら良いなと思います。
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masaru3n(マサルさん)
note株式会社勤務。手帳歴は15年以上。毎日、仕事ではPCと向き合いデータ解析に没頭していますが、思考を整理する際は手書き派です。手帳を自分との対話の場として日記のように使い続けてきましたが、最近では革製品の魅力に惹かれ、システム手帳(KNOXの手帳がメイン:エイジングプロジェクト参加中)や能率手帳ゴールド(使用歴はまだ2年ですが)を愛用中です。現在は、やりたいことを実現するために、手帳を使って自分の時間〈とき〉をデザインしています。
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システム手帳サロンとは、銀座伊東屋の10階で毎年秋に開催される、「システム手帳の祭典」です!システム手帳を販売する多くのメーカーが集まり、伊東屋限定品をはじめ2024年の新作から定番品まで、システム手帳本体約200種・リフィール約1000種が展示・販売されます。
メーカー担当者の講談や、ワークショップなどの体験型イベントも開催される、システム手帳ファン待望のイベント。昨年に引き続き、日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)からは能率手帳(NOLTY)から生まれたシステム手帳ブランド、Bindex by NOLTYが出展いたします!
銀座伊東屋システム手帳サロンの概要
開催期間:2024年10月4日(金)~21日(月)
場所:G.Itoya 10階(入場無料)
@itoya_sdlagenda
公式サイト:銀座伊東屋システム手帳サロン2024
システム手帳サロンの開催期間中、10月11日(金)と12日(土)にイベントを開催。ダイアリーリフィール新商品や、新商品リフィールのご紹介を行います。さらに、12日(土)には、トークイベント「時間<とき>デザインとBindex」も開催予定!システム手帳大好き!という方から、システム手帳には馴染みがないけど、見てみたい!触れてみたい!という方もぜひ遊びに来てくださいね!
Bindexは能率手帳のノウハウを基に1987年に誕生したシステム手帳のブランドです。時間と情報の二つの資源を最大限に生かすシステムを追求し、豊富なバインダーとリフィールのバリエーションを組合せることで、それぞれのスタイルや目的にあった最適な使い方を創り出すことができます。
2013年、能率手帳は新ブランド「NOLTY〔ノルティ〕」へと生まれ変わり、「Bindex by NOLTY」となりました。ツールの多様化が進む現在も、Bindexはシステム手帳の在るべき姿を提案し続けています。ビジネスシーンはもちろん、効率を求めるだけの時間の使い方を超えて、「時間〈とき〉デザイン」の考え方を体現するツールとして進化していきます。
タビ さん
わたしも同じく今システム手帳と能率手帳、そして万年筆にどハマりしているので、まさるさんの手帳術や筆記具の記事とても参考になりました😃
BPFのキゴウ、なるほど〜‼️と思いました✨✨