キャップレス万年筆

私の手元に、キャップレスの万年筆がやってきました。

万年筆というと、ふつーはキャップ式で、筆記するときはそのキャップを外すわけです。

あのカチッ、キュポッ、の感覚はなかなか心地よいのですが、外したキャップをそこらに置くと邪魔だし転がしちゃいそうだし、お尻に嵌めると個人的に重心バランスが悩ましい。

そこでキャップレスですよ！

ノック一発、ボールペンのようにペン先が出てきてサラサラ書けるのです。外したキャップに悩む必要も無いのです。

書き終わって引っ込めると、ペン先が引っ込んだ穴にはシャッターが下りるわけでもなく、なのにインク漏れとかが起きない技術はホントに不思議ですね……！

とはいえやはり、あまり長時間ペン先を下に向けておくのは望ましくないのか、クリップはペン先側についていて……

万年筆とボールペンやシャーペンの違いって、ペン先と紙の角度が一定ってことですよね。シャーペンの芯が書いてるうちに斜めに減ってきたから角度を変えて持ち変える、みたいなのはあるあるかと思いますが。だからこそクルトガみたいな芯を回転させる機構付きシャーペンなんかが出るわけですが。

万年筆は、それ、できません。

紙とペンの向きや角度を変えたら、インクがうまく乗らなかったり、線の太さが変わっちゃったりするわけです。

で、その、「書きやすい紙とペンの角度」は人それぞれだったりするわけです。

（本来の万年筆の角度に適さない持ち方で書いていると、ペン先の方が削れて“その人に最適”にチューニングされていきます。あるいはそこまでペン先が痛む前に、専門店にチューニングを頼んだりもするようです）

が、このキャップレス万年筆、ちょうど書くとき指があたるあたりにクリップがあるわけで。

もちろん、基本的に、邪魔にならない角度についてます。人差し指と親指でクリップをつまむように挟めば、適切な角度でペン先が紙に接するようにできています。

が！

持ち手個人の持ち癖が既に正しくない！

これを期に正しい持ち方に矯正するべきなのかもですが、一気に直すのはストレスフルで楽しくない！

何度か試行錯誤して、「人差し指と親指でクリップをつまむように、ただし人差し指の先はかすかにクリップに乗る心持ちで、親指は数ミリ後退させて」持つと違和感なく書けるようになりました。

……ん、やはりペン先には微妙な角度の負担がありそうだけど。

それもまた、万年筆の面白みってことで！