本屋大賞実行委員会プレゼンツ さん
2023.03.08
ときラボメンバーのみなさん、こんにちは。
本屋大賞実行委員会スタッフから、時間〈とき〉をデザインするためのヒントとなる本をご紹介します。
※この投稿が始まった経緯はこちらをご覧ください。
第7回目となる今回は、文藝春秋から発売されている『この父ありて 娘たちの歳月』をご紹介します。
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著者:梯久美子, 文藝春秋
自分らしくありたい。その願いはごく自然なものだと思います。ですが、実際に自分らしく生きようとすると、周囲の人とぶつかってしまったり、何かをやりたいと思っても高い壁に阻まれ諦めてしまったり、社会の規範とずれて苦労することもあります。それでも「自分らしく」を貫くのには、結構な覚悟がいるのではないでしょうか。
そんなことを考えていたら、『この父ありて 娘たちの歳月』(文藝春秋刊)のことを思い出しました。
ノンフィクション作家の梯久美子さんが、明治の終わりから戦前に生まれた9名の女性作家の生涯について、父との関係を軸に書いた一冊です。女性が社会で活躍することが歓迎されていなかった時代に、文章を書くという仕事を選び道を切り開いた彼女たちの覚悟と努力に心打たれます。