#11 【番外編】新オリジナルカレンダー用紙の開発

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1949年、生産現場のコンサルティング活動を行っていた日本能率協会が、「時間もまた資源である」という考えのもと、戦後まもない日本で、初めて“時間目盛り”を採用した手帳として「能率手帳」を発行しました。その後、人材育成支援事業、手帳事業、出版事業等の事業部門を集約し、1991年に日本能率協会から分離独立する形で㈱日本能率協会マネジメントセンター(略称:JMAM)が設立されました。

 

「#JMAM手帳を知る」では、手帳づくりの舞台裏を垣間見たり、歴史を振り返ったり……。社員すら知らない!?情報も盛り込みながらJMAMが手がけてきた手帳のあれこれを毎回いろんな角度からお伝えしていきます。

 

今回は番外編ということで、手帳ではなくカレンダーをご紹介させていただきます。




NOLTYカレンダーとは


NOLTY・PAGEMでは手帳やノート以外に、カレンダーも制作・販売しています。もしかすると「初めて知った!」というときラボメンバーの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

1994年に前身である「能率カレンダー」として発売し、現在では年間60種類以上ものカレンダーを販売しています。手帳づくりで培ってきたこだわりをカレンダーにもということで、卓上・壁掛けなどのスタイルからサイズ、メモ欄の大小など種類も豊富で、書きやすさと実用性を兼ね備えたカレンダーとして、実は愛用者も多いNOLTYのもうひとつの定番なんです。



そして今シーズン、NOLTYカレンダーでは新しくオリジナルのカレンダー用紙を開発し商品化、販売されているとのことで、新カレンダー用紙の開発に携わった遠藤と望月に話を聞いてきました。



▲制作部の遠藤(上)と企画開発部の望月(下)




きっかけはお客様からいただいた声


NOLTY・PAGEMのカレンダーは大きく分けるとクリーム色の用紙を使用した商品とホワイト系の用紙を使用した商品の2種類になります。目に優しいクリーム色の用紙はオリジナル用紙として作られ商品に採用してきましたが、ホワイト系の用紙は印刷に適性があり、視認性にも優れた紙を一般紙の中から選んで商品に採用してきました。

 

毎年、ユーザーの皆様から様々なご意見を頂戴するのですが、その中に「今までマジックを使っていたが今年は裏抜けする」というご意見をいただきました。その商品は以前別のお客様から「鉛筆などで記入した際に滑って書きづらい」というご意見をいただいており、改善の為に用紙を変更していたんです。その際にマジックで書くことを想定していなかったことで、違うお客様にご迷惑をお掛けしてしまいました。

 

▲目に優しいクリーム色の用紙は、NOLTYオリジナル用紙。書きやすさはもちろん、森林資源の保全と育成に貢献できる用紙を採用しています。

 

 

お問い合わせをいただいてからホワイト系の用紙もオリジナル用紙を開発しようと検討を始めました。私たちとしてもクリーム用紙はオリジナルなのにホワイト系の用紙は一般紙を採用していた、ということにブランドとしての姿勢を改めて見つめ直す良い機会になりました。

 

マジックで書いても裏抜けしなく、かつボールペンやシャーペンで書いても書き味を損なわない用紙の開発を目指したんですが、インクを染み込みにくくすると書き味が悪くなるなど、あっちを立てればこっちが立たずで・・・非常にバランスを取ることが難しい重いテーマでした。工場からも、ボールペンやシャーペンで書きやすくてマジックでも滲まない紙、と話すと「矛盾してませんか?」と言われました。

 

 

開発期間は約2年


一般に販売されている用紙を集めてその中から数種類に絞り、20種類ほど様々なペンを用意して複数人で検証を繰り返しました。紙の上にペン先を何秒か止めてインクが滲んでいく具合を見たり、書き味の比較テストも行い、それぞれの用紙について段階を付けて評価していきました。コストを気にしなければニーズに応える用紙はあったと思いますが、適正な値段で高品質な用紙を作れないか、模索していました。

 

検証を重ねて製紙会社さんとオリジナル用紙のサンプルを作ったんですが、カレンダーに加工した後、用紙がカールしてしまって・・・カレンダーに使う用紙としての適性がなく失敗したこともありました。


▲オリジナル用紙のサンプルを作成し壁掛けカレンダーに仕上げた後、オフィス内で吊り下げて用紙がカールしないかを検証。写真上のカレンダーはカールしていないが、写真下のカレンダーはカールしてしまっている。

 

 

出来上がったサンプルの用紙で印刷のテストや吊り下げのテストを行い、約2年間試行錯誤してNOLTYオリジナルのホワイトカレンダー用紙が完成しました。

 

 

▲完成したNOLTYオリジナルのホワイトカレンダー用紙は、23年1月始まり商品から採用されています。




開発担当者からのメッセージ


<企画開発部 望月より>

 カレンダーは何かしている時でも、チラッと視線を逸らすだけで日付がすぐ確認でき、アクションが少なくて済む便利なアイテムですよね。私自身も自宅で壁掛けカレンダーを使っています。

NOLTYやPAGEMの手帳は使ったことあるけど、カレンダーは手に取られたことがない方もいらっしゃると思います。ぜひ一度、NOLTY・PAGEMカレンダーを手に取っていただけたら幸いです。お使いいただければその良さを実感いただけると思います。



<制作部 遠藤より>

以前は寝室に壁掛けカレンダーを掛けていました。が、活用しておらずめくり忘れることもよくあって(笑)今、我が家は壁掛けカレンダーをリビングのダイニングテーブルの横で使用しています。子どもの学校行事や家族の予定を書いて食卓での会話のきっかけになり、良いコミュニケーションツールになっています。使い方を1つ決めると良いかもしれませんね。




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新開発のオリジナルホワイト用紙を採用したNOLTYカレンダーはこちらをチェック

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