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『戦争というもの』

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今年は終戦80年ですが,対米戦争開戦80年に『戦争というもの』が発刊され,半藤一利の遺作となりました。コロナ禍に半藤自身が企画し,自身の孫娘に編集を託しました。企画当初のタイトルは『孫に知ってほしい太平洋戦争の名言37』といったもので,戦意高揚スローガンや流行歌,戦争指導者の発言など,当時盛んに喧伝されたワンフレーズの背景を半藤が語り下ろすというスタイルです。作者があとがきで「まだまだ数多く残っているのですが,とりあえず今回はこれで終了」と述べているように,掲載された名言は14に留まりました。

日本全体が戦争マシンと化して戦った総力戦で,莫大な「とき・ひと・もの・かね」を費やして,残ったのはこれら僅かのことばの残響だったのです。これらを教訓とするのでなければ,「名言」とするのでなければ,なんと空しいことでしょう。噛み締めたいと思います。

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