時間〈とき〉ラボ運営事務局 さん
みなさん、こんにちは。時間〈とき〉ラボ運営事務局です。
10月4日~10月21日に銀座伊東屋本店で「システム手帳サロン2024」が開催され、10月12日(土)にはスペシャルトークイベント「時間〈とき〉デザインとBindex」も開催されました。語り役はJMAMの常務取締役・髙梨で、進行役はNOLTYのSNS担当・大江。イベントはインスタライブで同時配信も行われました。盛りだくさんのトーク内容をレポートいたします!
―――Bindexの誕生は1987年。髙梨のJMAM入社は1989年。Bindexとともにビジネス人生を歩んできた髙梨が、まずは発売当初のコンセプトについて振り返りました。
髙梨: 1980年代半ばにイギリスのファイロファックス社のシステム手帳が日本で販売開始し、アシュホードやノックスブレインなどが続きました。当時システム手帳はステーショナリーの感覚で使い方もフリーだったけれど、Bindexのコンセプトはあくまで「仕事の道具」。リフィールを5つのカテゴリ「①目標管理」「②時間管理」「③記録」「④アドレス&データ」「⑤ファイリング」に区切って展開していました。Bindexの「システム5(ファイブ)」の時代です。
▲Bindex発売当時のカタログ画像(表紙)
―――当時のシステム手帳ブームについてはこんな回想も。
髙梨: 1980年代後半にすごいブームが来て、作っても作っても間に合わないような売れ方をしていました。テレビドラマでもよくシステム手帳が小物として登場して、中身がパンパンに詰まった分厚いシステム手帳で、それを小脇に抱えているのがかっこいい。それを持っているのが「イケてるビジネスマン」というイメージだったんです。今みたいにスマホもタブレットもなかったので、コピーした資料も穴を空けて挟んで、とにかく情報をすべてシステム手帳に入れていたのが当時のアナログの時代です。
―――続いて話題は、「システム5」時代のBindexが販売していた数々の懐かしいリフィールに。
髙梨: 基本的には情報や時間管理のリフィールがメインで、いろんなものが出ていましたね。旅行用のリフィールがあって、1枚目は日本語で「熱が出た」などの項目が書いてあり、チェックできるようになっているのですが、それをめくると2枚目は英語に翻訳されている。複写式になっていて、海外旅行で役に立つという商品でした。
▲Bindex発売当時のカタログ画像(商品ラインナップ)
あとは、今では想像できないでしょうけれど電卓のリフィールまでありました。私が担当しましたが、作るのに苦労したのを覚えています。紙のリフィールとは全然扱いが違ったので。この電卓はすごく売れました。アラーム機能のリフィール(!)などもあって、今振り返れば非常におもしろいですよね。
ほかにも、おすすめのレストランなどが記された地図のリフィールなんていうのもありました。スマホのない時代ですから、そういった情報もシステム手帳に入れて、多くのユーザーさんに使っていただいていました。
―――システム手帳のトレンドの変化を振り返りながら、話は過去にBindexから発売していた幻のサイズへと進みました。
髙梨: 1980年代後半から女性のシステム手帳ユーザーが増えてきて、重いものが敬遠される傾向もあり、システム手帳から綴じ手帳へという流れが大きくなっていきました。その波を受けてシステム手帳も、シンプルに薄いものにしていこうという方向に進み、30㎜や25㎜が主流だったリング径が10㎜になったり、ミニ5サイズが出てきたりしました。
そんな中で、当時人気だったのが「Bindex N」というサイズ。能率手帳サイズで8穴のものでした。小さいサイズでは6穴と8穴が戦っていて、最初は8穴が強かったけれど、そのうち6穴が勢いを増して結局8穴は負けてしまいましたね(笑)
―――このBindex Nに話題が及ぶと、インスタライブを視聴してくださっているユーザーさんから「使っていました!」「復活してほしいです!」といった声が届きました。そして話題は90年代前半に起きたプリクラブームの思い出に。
髙梨: プリクラが登場すると、女子高生がプリクラを貼るノートとしてシステム手帳を使うようになったんです。その影響もあり、革製の高価なものではなく低価格のシステム手帳の需要も大きくなっていきました。JMAMでもプチペイジェムからミニ6サイズを発売し、プリクラブームに乗っかったこともあって毎年20万冊くらい売れていたと記憶しています。
―――20万冊という数字に、「そんなすごい売れ方をしていたとは…!」と進行役の大江も思わず絶句していました。
―――次いで話題は、システム手帳の顔でもあるカバーの歴史へと移りました。
髙梨: Bindexは本体に関しても様々なデザインが発売されてきて、特にカバーの素材はいろいろでした。発売当初は牛革が中心で、後からワニ、オーストリッチ、馬、ラクダの革なんてものも。アザラシの革でも作ってみたりもしましたね。30年前のシステム手帳フェアは、それこそ動物園かというくらい、各社があらゆる革で手帳を作ってきて並べていました。
Bindexで人気だったのは牛革のカーフ、あとはコードバンという馬のお尻の革のもの。使っていくうちに色が経年変化していくものが好まれました。また、染色の技術がどんどん進化していったこともあり、色のバリエーションも変化していきましたね。淡い色が登場して、女性ユーザーが増える中で、どんどんカラフルになっていった印象です。「コバ(革の断面)」の色に遊び心を効かせたような商品も次第に出てきました。
―――カバーを語る中では、髙梨自身が忘れがたい商品について熱く語る一幕も。
髙梨: すごく思い入れがあるのが、Bindex発売10周年時の限定品。企画開発を担当していて、高級なドイツのボックスカーフを海外まで買い付けに行って仕入れて作りました。カバーだけでなく細部にもすごくこだわって、コバの部分はただ塗っているように見えるけれど、この仕上がりになるまでに何回も磨いて、角の処理をして、染色も3回くらい重ねて…とにかくこだわりの詰まった限定品でした。
▲ 写真画像は、伊東屋限定『エントロ2』
当時はたびたび海外へ出向いて、いわゆるハイブランドの革製品を扱うような業者と交渉して買い付けをしていました。国内のタンナーさん(鞣し加工を行う業者)も訪問したし、タイやベトナムの工場にもよく出かけていましたね。
―――トーク後半は、いよいよ現在のBindexについて。「システム5」時代から30年以上の時を経て、今Bindexはどのようなコンセプトで展開しているのでしょうか?
髙梨: ビジネスマン中心だったシステム手帳市場が少しずつ変わっていって、ユーザー層が変わり、今は使い方もかなり多様化してきています。コロナ禍に時間が止まり、時間というものを改めて振り返る人が多かったのもあるのでしょう。時間は管理するだけじゃない、もっと広く「どうデザインしていくのか?」を考える時代にあるのだと捉え、Bindexも「時間〈とき〉デザイン」をコンセプトに舵をきっています。
―――最後に、「時間〈とき〉デザイン」コンセプトのもとに今春より販売がスタートした、新たなリフィールたちが紹介されました。
髙梨: 「ライフログ」「ライフビジョン」という2つのカテゴリで、日々のできごとやアイデア、夢などを記録したり、将来のビジョンを描いたりできる、多様なリフィールが続々と出てきています。
▲ 2024年11月1日にはパッケージをリニューアルして新たなリフィールも登場。各リフィールがどのカテゴリに該当するのかパッと見で分かるようにアイコンもついています。(パッケージは全商品を対象に順次変更を行います)
最近は、仕事だけでなく、ライフログにシステム手帳を使う方も増えています。趣味や推し活など、みなさんの好きなものにぜひ活用してみてください。手頃なものもあるので、そういったものからエントリーして、使いこなし始めたところでちょっと贅沢なシステム手帳に挑戦していくといいのかなと思います。Bindexをぜひみなさんに愛用していただけるとうれしいです。
―――当日はたくさんの方にお越しいただき、インスタライブでも多くの方に視聴いただき、ありがとうございました。新しいコンセプトのもと、書く楽しさを実感できる様々なリフィールを展開するBindex。ぜひチェックしてみてください!
▲画像をタップorクリックで詳細をご覧いただけます
かみきち さん
とても楽しく拝読しました!私のファースト手帳は牛革のカーフのシステム手帳だったんです!
お話から、常務の髙梨さまは私よりも少しだけ先輩にあたるのかな、と類推しました。
電卓リフィル、使っていましたよ。ついでに当時は連絡先のリフィルもとても重要でした。固定電話の電話番号を手帳に書いていつも携帯していました。
Bindex発売10周年時の限定品のエピソードも面白かったです。一生懸命に取り組んだ仕事は心に残りますし、話す言葉にも熱が宿りますね。
ライフログといえば・・・プレスリリース拝見しました。時間<とき>ラボのサイト以外で時間ラボを目にするのも新鮮でした。見覚えのある、アノ手帳も・・・。
楽しい投稿をありがとうございました!
めい さん
プレスリリースにタビさんの手帳がありましたね😍