写本の世界。

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コメント:5件

西洋国立美術館で、『写本』の特設展をやっているので観てきました。


中世……ゴシック……時祷書……金と赤と青……西洋唐草……恐ろしさより間抜けさに笑っちゃう怪物絵……同様に、間抜けに見えてもおかしくない聖人たちの絵にそれでも際立つ崇高さ。

あああ、たまりません……!!


15世紀に印刷技術が確立されるまで、これらはぜんぶ、手書きだったのですよねえ。

ガラスペンか鵞ペンか葦ペンか、何を使ったかはわかりませんけれども。

カラムの枠線には鉛筆のような線がうっすら見えますけど──鉛筆、あったのかなあ?──透明度の高いインク、細い描線の唐草模様にはリードマークのようなものはいっさいなくて、これ一発書き?と思うと畏れ多い。

ページの両面に描かれたものが両方観られるように設えられた展示もあって、向こう側が窺える薄さだったから、下にリードマークの下敷きを敷いて、透かして描いたのかも?

というか、……これ、獣皮紙!?獣皮紙ってこんな薄く鞣して、見た目現代紙と変わらないものなの!?ファンタジー映画とかに出てくる羊皮紙ってもっと重厚じゃんああいうものかと思ってた……!!


などと大変刺激的でした。

そして、

「そうかあ、人類史で印刷だの工業製品だのなんてここ数百年で、そんなものなしで人間は数千年生きてきたんだよなあ!手帳一冊、250ページ程度で怯んでるのはご先祖様がたに恥ずかしいな!」

なとと意味不明の鼓舞を勝手に受け取ったりもしました。

(と、いうことをこの20年ほどの歴史しかないSNS文化で呟く……)


自作手帳の残念ポイントである『華やかさが足りない!』点も、これらの手書き装飾をマスターできれば克服できるんだけど、さすがにそれは敷居が高いな!


あ、そうそう。

これらの写本、現代では「カリグラフィー」とされる書体なんですけど、すごく細かい……2,3mm角の文字とかでぎっしり書かれた本がいっぱいあって。当時、紙は貴重ですもんね、貴族様はともかく修道院とかではすこしでも細かい文字を詰め込んで紙を節約したいですよね。

これ、どういうペンだったのかなあ。

カリグラフィーを学びたかったけど、現代では「ポストカードのまんなかにでっかくThank youだのHappy birthdayだの書く用」のペンしか売られてなくて挫折したのです。

手紙本文サイズでだかだか書けるカリグラフィーペンが欲しいよう〜〜〜!

10 件のいいねがありました。

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行きたいなーって思いました

楽しそうですね✨

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2024.08.12

まだ2週間弱やってます✨

心の底よりオススメです‼️

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2024.08.12

印刷技術のある世界の前の世界・・・・(// //)

なるほどです!!

「印刷」ってゆー技術の進歩にも、すごいなぁ・・・です(*^^*)

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2024.08.14

技術のある世界に生きていると、それが発明される前になかなか思いが及ばないですよね💧


私は趣味で自分が着る服を時々作るのですが(自分用なので裏を見ると端処理や糸の渡りがボロボロですw)、ミシンを持ってなくて(置く場所がなくて)、手縫いじゃ着るに足る服は作れないよな……と思っていたのですが、

「ミシンが発明される前はみーーーんな手縫いだったよな?」「そしてその頃は、既製服の店もなくて、一家の主婦が服を縫うのは当たり前だったよね?それが趣味じゃなくても!」と思うようになってから平気で手縫いするようになりました。

(でも、素材から作るのはやっぱり無理……!)

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2024.08.16

ヨルカさん!!

なんでも作るんですね!!

もう、尊敬しかありません!!!

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2024.08.16