#10 【SDGs】手帳表紙カバー リサイクルの取り組み

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1949年、生産現場のコンサルティング活動を行っていた日本能率協会が、「時間もまた資源である」という考えのもと、戦後まもない日本で、初めて“時間目盛り”を採用した手帳として「能率手帳」を発行しました。その後、人材育成支援事業、手帳事業、出版事業等の事業部門を集約し、1991年に日本能率協会から分離独立する形で㈱日本能率協会マネジメントセンター(略称:JMAM)が設立されました。

 

「#JMAM手帳を知る」では、手帳づくりの舞台裏を垣間見たり、歴史を振り返ったり……。社員すら知らない!?情報も盛り込みながらJMAMが手がけてきた手帳のあれこれを毎回いろんな角度からお伝えしていきます。

 

今回は、JMAMが掲げているSDGsの取り組みの1つをご紹介します!

 


SDGsって?


SDGs(エスディージーズ)って最近よく聞く方も多いと思いますが、どういう取り組みなのかを簡単にご紹介します!

  

SDGsとは「2030年までに達成すべき17の目標」のことで、日本語にすると「持続可能な開発目標」といいます。

2015年9月に、150カ国を超える世界のTOPが参加した「国連持続可能な開発サミット」で決められた、国際社会共通の目標です。このサミットでは17個の目標と169の詳細な目標が決められました。



JMAMではその中でも4個の目標に取り組むことを宣言しています。


実は、ときラボの根幹となっている「時間〈とき〉デザイン」は、「8:働きがいも経済成長も」に該当しているんです。


そして、今回「#JMAM手帳を知る」では、「12:つくる責任 つかう責任」に該当する取り組みをご紹介いたします!




実はリサイクルが難しかった混合素材の手帳表紙カバー


70年前から手帳を作っている私たちは、いつの時代も手帳をただ作り・販売しているだけでなく、常に「つくる責任」を意識して手帳作りに取り組んできました。SDGsの活動の一環として脱炭素社会の実現を目指し、環境に配慮した商品企画や原材料の調達、環境負荷を抑えた製品の製造や店舗での販売効率の向上、廃棄物の再生利用などを進めています。

 

これまでJMAMが行ってきたリサイクル活動は、手帳の紙の部分を古紙として売却したり、透明な表紙カバーをリサイクルしたりということに取り組んできました。一方で、着色した塩化ビニール(以下、塩ビ)素材の表紙カバーは、裏側に不織布が付いていたり、外周に糸(ステッチ)が付いていたりする混合素材になっています。リサイクルするには塩ビとその他素材とに分離が必要ですが技術的に難しく、これまで産業廃棄物として処分していました。



とはいえ表紙に使用している塩ビは、リサイクルが難しいですが汚れにくく耐久性があり、装飾性や加工適性にも優れているという特長があります。一年間のハードな使用に耐えられるよう堅牢なつくりにこだわり、またトレンドを取り入れたデザイン性の高い商品を開発しているJMAMとしては、塩ビは必要不可欠な素材で、採用している手帳も多いんです。

こうした手帳の品質にこだわりつつも、環境負荷を抑えるために、何とか混合素材の塩ビのリサイクルが実現出来ないだろうか、と考え始めたことがきっかけでした。

 

▲混合素材の手帳表紙カバー。裏側に不織布や外周に糸(ステッチ)があるもの、能率手帳のように表紙と本体が一体となったくるみタイプの製本形式を採用している手帳は紙が塩ビ素材にくっ付いてしまっているため、混合素材となってしまう。



そして、2022年4月1日に施行される「プラスチック資源循環法」を意識しつつ、環境負荷を抑えるために、とうとう2022年4月よりNOLTY・PAGEMの手帳の表紙に使われている塩ビのリサイクルの開始に漕ぎ着けることが出来ました。

  

そこで、これまで手帳業界でなかなか実現できなかった「混合素材の塩ビ表紙カバーのリサイクルを可能にした」ということで、今回はこの取り組みを推進した中邑(なかむら)と遠藤に話を聞いてきました。


▲塩ビ表紙カバーのリサイクルを実現させた遠藤(左)と中邑(右)



偶然の出会いと地道の活動


昨年から今のオフィスに場所が変わったんですが、なんと偶然にもビルの上の階に塩ビ工業・環境協会さんがいらっしゃって、これもご縁と思い、突撃訪問しました(笑)。

そして塩ビ素材のリサイクル会社さんを教えていただき、1社ごとに連絡をとってリサイクルのご相談をしたのですが、不織布の分離が難しい、外周に糸(ステッチ)が施されていて糸を解くことができないなどの理由で、混合素材の表紙カバーのリサイクルは不可能ですね、という回答ばかりで・・・。地道に探し続ける中、株式会社エコロ(以下エコロ)さんで不織布や糸を分離できる可能性があると判り、話を聞きに行きました。

 

何度もエコロさんのリサイクル工場でテストを重ねた結果、表紙カバーを粉砕して塩ビとそれ以外とに分別できる特殊な機械を用いることで目途が立ち、産業廃棄物処分からリサイクル(再生原料)へと大きく舵を切ることができました。


▲壁紙のリサイクルで使われている機械。壁紙も混合素材の塩ビ表紙カバーと同じような構造なのだそう。この機械のおかげでリサイクルが可能に。



現在、分離した塩ビは国内の塩ビメーカーに出荷し、再生塩ビとして床材などの塩ビタイルとして再利用されています。


▲(左)混合素材の塩ビ表紙カバーを粉砕・分離 /(右)再生塩ビで製造された床材



産業廃棄物をほぼゼロに。そして2030年にはリサイクル率100%へ。


この取り組みによって廃棄されていた混合素材の塩ビ表紙カバーがすべて再利用されることになり、手帳で使用されている素材の「99%がリサイクル」可能になりました!

これまで産業廃棄物として焼却されていたので、これだけでもCo2の削減につながりますし、塩ビが再生されて使われることで、その分新たなプラスチックを作らなくて済むため、持続可能な社会への貢献にもつなげることが出来ました。このリサイクル活動はグループ会社の株式会社NOLTYプランナーズ、株式会社新寿堂でも同様に進めていきます。

 

他にも革素材の表紙や付属品のシールなど、まだリサイクルできず廃棄処分されている素材があります。2030年には手帳等のリサイクル率100%を実現し、地球環境保全ため、サステナブルな社会の実現に向けて、リサイクル活動の取り組み強化に努めていきます。




\JMAM内でも表彰されました/

 

JMAMで働く全社員を対象に貢献した社員を称える社長賞を、中邑・遠藤が受賞しました!

長年課題であった混合素材の塩ビ表紙カバーのリサイクルは、本当に大切な取り組みとして社内でも称賛を集めています!




\ JMAMのSDGsに関わる「NOLTY notebook」をご紹介/

 

〇サステナブル素材で自由にカスタマイズできるノートブック

『NOLTY notebook kukuru』

 

〇環境配慮型新素材【LIMEX(ライメックス)Sheet】を使った

『NOLTY notebook × LIMEX A5』


NOLTY notebook の詳細はコチラから

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地球環境を意識した取り組み素晴らしいでね。

NOLTYユーザーとしても、とても誇らしいです。

これからも地球にやさしいモノづくり応援しています。

返信する
2022.11.02

繰り返して使えば、そのモノに対しても愛着がわきますね。

返信する
2022.11.04

中邑さん・遠藤さん、社長賞の受賞、おめでとうございます。


とても共感できるお取組みです。

広げていってください。


素敵なおはなしをありがとうございました。

返信する
2022.11.04