【#8 西口 理恵子さん 書くことと、整理と幸せ】

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「わたしと書くこと」では、手帳やノートなど“書くこと”で、時間〈とき〉をデザインしている方・実現しようとしている方にお話を伺い、書くことの意味や書くことでの変化などをご紹介していきます。

 

今回のゲストは、宅地建物取引士とインテリアコーディネーターの資格を活かし「整理収納アドバイザー」としてテレビや雑誌で活躍する西口理恵子さん。整理収納×インテリア×人の内面の美を総合した【美人収納®】を考案され、2017年より毎年11月に行う時間整理セミナーは毎回満席になるほどの人気です。西口さんの手帳術と「幸せの視覚化」をご紹介します!

 

 

子どもの頃から「書く」に触れて…

 

私は手帳が大好きですし、自分の全てが詰まっています。私は小さいときに母から「母子健康手帳」をプレゼントされました。「母子健康手帳」は人生ではじめて自分の記録が残された手帳だと思っているので、「母子健康手帳」は今も大切にとってあります。そういう想いもあり、手帳という存在は人生に欠かせないアイテムと考えています。


 

中学生・高校生のときはシステム手帳を使っていました。流行っていたんですよね(笑)。この時は日記の要素が強いですね。「はじめて、お弁当つくった」とか、うれしいことも書いていますね。当時から、週の目標を書いていますね。この時期の習慣が今も活かされていると思っています。


 

大学生になると、手帳には大好きなアーティストのライブに行ったときのチケットを貼って、感じたことを書き込んだりと、一気に書く内容が広がりました。当時のページをみると、自分の体験したことや気持ちがぎゅっと詰まった大切な宝物だなと思います。振り返ると「書く」という行動は子どもの頃から当たり前にあったように感じます。それこそ、遡れば小学生の頃に流行った「プロフィール帳」も大切にとってあります。

 

▲大学時代の学校支給のマンスリー手帳。小さな枠にびっしりと書かれています。

 

そんな私の人生が大きく変わったきっかけは「書くこと」が大きく関わっています。社会人になって、きちんとした手帳を買おうと思って、清水の舞台から飛び降りる気持ちで買ったのが、ハイブランドの手帳です。使い方は変わらずびっしり書き込んでます。内容は日常の印象的な出来事で・・・車を買ってうれしかったとか、ネイルをラウンドカットにしてみたとか…日々のことや物欲いっぱいですね、しょうもないことばっかりしてました(笑)。

 

▲大学時代の頃に使われていた手帳。美術館のチケットを貼って、感想などを横のスペースに書いたり・・・

 

▲他のページには欲しい物リストや家計簿を書いたりされていました。


 

10年後を書いたら、未来は「自分で何とかしなければ」と気づいた

 

22歳の頃、とある人材系の会社のサイトに「あなたは10年後何をしてますか」という問いかけが載っていて、クリックしたら「10年後を書いてください」という項目が出てきたんです。当時は就職氷河期真っただ中で、就職がうまくいっていないことにすごく落ち込んでいたので、未来のことをあまり考えていなかったんです。この言葉を見て、当時の自分なりに10年後のイメージを書いてみたんです。すると、「そのために5年後はどうなっていますか?」とより具体的な項目が出てきて。書き込んでみると、その次は「1年後はあなた何をしてなきゃいけないですか?」ってさらに問いかけがでてきました。そこでハッとしたんです。

 

 

私、それまでは自分がやりたいと思ったことをなんとなくやって「何とかなるわ」と思っていて、自分の人生の未来を考えてもなかったんですよね。

 

でも、その問いかけをきっかけに、10年後、5年後、1年後の自分と向き合い、自分の未来のことを真面目に考えたんです。それを言葉にしたときに「何とかなるのではなく、自分が何とかしないといけないんだ」と実感したんです。それで、10年後のビジョンに向けて、今自分がやるべきことは何か、考えて宅建の取得に向けて勉強をはじめました。

 

▲宅検を取得する目標を掲げたときの手帳ページ。

 

手帳にキャリアビジョンとか真面目なことを書き始めたのもその頃からです。書いてみて「やりたい」と明確になった不動産の仕事でガムシャラに働きました。本当に人生が変わった出来事ですね。

 

 

書くことは整理に繋がり、整理は優しさに繋がる

 

書くことは頭の中を整理したり、感じたことを視覚化し、自分に意識させることができますよね。それを自覚してから、手帳は基本的に開いた状態ですぐ手の届くところに置いてあります。子育て中なので、思ったときに“ばーっと書く”というやり方をしています。

 

2009年に父が亡くなったんです。父が亡くなった日のページに「幸せはいつも自分のこころが決める」と相田みつをさんの言葉を書いています。なぜこれを書いたかわからないけれど、この言葉が今の自分を作っているといっても過言ではありません。

  

私の仕事は「整理収納アドバイザー」ですが、整理することの大切さって「人への優しさ」に繋がると考えているんです。整理するものはモノですが、モノを整理するにはココロ、つまり、思いやりや優しさ、気持ちが必要です。これを私は整理収納を通じて伝えていきたいとずっと考え、行動しています。

 

私のセミナーを受けてくださった方が整理収納を通じて、自分が一番叶えたかった夢を叶えたりする瞬間に立ち合うと、その連鎖をお手伝いするのが私の仕事なんだって実感します。継続するのってすごく大変だから、後押ししてあげたい。自分のブログにマイナスなことは一切書かないのはそれが理由です。整理収納を通じて夢を叶えたい方々を引っ張っていける存在になりたいし、私の仕事はそういう仕事だって思っています。

 

 

書いて「幸せを視覚化」。手帳は体の一部に

 

ココロの整理をするにあたって、予定を書き込む“色”にも気持ちを込めています。昔はずっと黒一色で書いていたのですが、上海出張にいくときに、たまたま赤の色のペンを使ったんです。すると、手帳を開くたびに赤色で書かれた予定を見ると、自分がわくわくすることに気づいたんです。上海で気持ちが高ぶっていたんだと思うんですが(笑)。


▲予定、ToDoリスト、目標などがびっしり黒で書かれた手帳。

  

▲色を活用しはじめたときのページ。幸せを可視化することで、さらに幸せな気持ちに。

 

上海から戻ってきて、黒のペンに戻したんですが、手帳を開くたびになんだか寂しい気持ちになったので、それから意識的に「好きなものは赤」「仕事は青」って使い分けるようになりました。好きなものを赤にすることで「幸せを視覚化」できたのはよかったです。振り返ったときに嬉しいことがあったのか、赤が少ないからすごく忙しかったのかってわかりますから。

 

▲赤がたくさん使われているページ。西口さんの「好き」「楽しい」の感情が伝わってきます。

 

あるとき、スケジュールをデジタル移行することにチャレンジをしました。でも、できなかったんです。自分の幸せが後回しになってしまって。

 

デジタルのカレンダーのメリットは、自分以外の人との予定を共有したり、スケジュールを押さえたりすることに関してはとても使いやすかったんです。でも気づいたら、他の人が絡まない「自分のやりたいこと」は、私はデジタルのカレンダーには入れていなかったんです。どうしても人との約束が優先になって、自分との約束が後回しになってしまって・・・それは幸せなんだろうか?と思いました。

 

デジタルのスケジュールは気持ちを込めて入力することが難しい分、印象に残りづらいと思います。そのスケジュールを見ても、その日、楽しかったことや幸せだったことなどの気持ちをのせてログなどを書き込めないので、ただの“予定”になってしまい、印象に残りづらい分、振り返った時に幸せの可視化が難しいなと思いました。それだと自分が主体の人生ではないように感じてしまって。それは良くないと思い、自分と対話するには紙に自分の感情をのせて書き込むことが一番と考えるようになりましたね。

 

 

自分の頭の中を写すイメージで手帳を使っている私にとって、手帳は体の一部。なくてはならない存在です。今までの私の幸せは、全て手帳に大切に残っている、と言っても過言ではありません。

 


~~~編集後記~~~

 

西口さんの人生と「書くこと」が密接に繋がっていて、壮大なドラマを見ている気持ちになった今回の取材。その中にもほっこり要素がありました。お子さんに関することと、たった1週間で辞めたという手帳活用術。



出産時のことが詳しく記録されているのはまさに西口さんの手帳の使い方!という感じなのですが、驚いたのはお子さんの生活習慣に関すること。なんとシールで起きたことを記録していたんです。


なんて几帳面な…!と思ったら、なんと1週間で頓挫したそう。「疲れてやめたんですよ」とハッキリ仰っていたのが印象的でした。仮に始めたとしても無理に継続させないスタイルが、西口さんが「書くこと」を続けている秘訣のように感じます。


現在も継続しているのは、旦那様との連絡はアプリ上での手帳の共有。デジタルカレンダーを使っていない西口さんご夫婦は、手帳をスマホで撮影して共有するようにしているんだとか。手帳とデジタルカレンダーの併用で、予定の入力漏れを起こしてしまいがちな方は、このやり方が有効そうです。よかったらぜひ試してみてください!

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西口理恵子さん

整理収納アドバイザー、インタリアコーディネーター。「モノの整理は、心の整理。」そのお手伝いをしたいとの思いから、「美人収納®」で、住まいと人生を美しくするお手伝いをと、セミナー講師やコーディネート、コンサル、商品開発を行う。
著書「ずっと美しく暮らす シンプル収納の家づくり」。2児の母でもある。

Blog「1日1収納

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次回は、西口さんの「わたしの時間〈とき〉デザイン」をお届けします。



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