【#2 酔鯨酒造株式会社 大倉広邦 】課題や目標が見えるだけでなく、「覚悟」するために書く

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「わたしと書くこと」では、手帳やノートなど“書くこと”で、時間〈とき〉をデザインしている方・実現しようとしている方にお話を伺い、書くことの意味や書くことでの変化などをご紹介していきます。


第3回のゲストは、今年株式会社となり50周年を迎えた高知県高知市に酒蔵を構える酔鯨酒造株式会社四代目 代表取締役の大倉広邦さん。「世界の食卓に酔鯨を」というビジョンを掲げ、日本酒のある食卓、日本酒のあるライフスタイルを楽しんでもらいたいと「Enjoy SAKE Life」をテーマに、日本酒の魅力を世界中のお客さまに伝えるために日々、奔走されています。


低迷する実家の酒蔵を継ぎ、売上をV字回復させるなど、次々に目標をクリアしていく大倉さんにとって“書くこと”とは。




忘れないために、とにかく書いていた営業時代


手帳を書き始めたきっかけは、大学を卒業し、キリンビールに入社したときです。その時からずっと能率手帳を使っているので・・・気づけば今年で21年目です(笑)。ずっとA5のレフトを使っていました。僕はどうしても手帳を開いたときに左にスケジュール、右にメモのレフトタイプじゃないとダメなんです。



このタイプに慣れてしまって。営業だったこともあり納期やアポイントが多かったので、左側のスケジュール欄はびっしり黒く埋まっていましたね。そして、右に書くのは、その日にやらなくちゃいけないことです。週送りにしていいことはポストイットに書いて、次の週に貼り直していきます。これは今も変わっていません。そしてマンスリーのページには、大切な取引先の社長さんのお誕生日を書いて忘れないようにしていました。


▲大倉社長が実際使われていた6年間分の「NOLTY リフレ3」・「NOLTY 能率手帳A5月間ブロック」


2013年に「酔鯨酒造(以下、酔鯨)」に戻ってきてしばらくは営業の仕事をしていたので、キリンビール時代と変わらずスケジュールの部分にはお取引のあるお客さんや以前取引があったお客さんとのアポをびっしり書き込んで、全国を飛び回っていましたね。




代表になり書くことの意義が変化



2016年に4代目代表取締役社長になってからは、一日のアポイントも営業時代よりは少なくなってきたんです。それにスケジュール管理というよりは、経営者として酔鯨をもっと良くしていくためにはどうしたらいいか、考えることがグンと多くなったので、メモ欄に書くことが多くなりました。


他にもメモページには打ち合わせ内容を書いたり、手帳の後ろの方眼紙ページには考えを整理したり、次のお酒のアイデアを書いたり・・・代表をやらせてもらうようになって、書く内容と手帳の使うページが変わってきた気がします。変わらないことは、きれいに書くというよりは、自分が忘れないように殴り書きでもいいから大事なことを書き記しておくというスタンスですね。自分が読めればいい!んです(笑)。



年間スケジュールのページには、大切な取引先の社長さんのお誕生日を書いています。実は、前は1ヶ月のスケジュールのページに書いていたんですけど、1日生まれの社長さんの誕生日を確認し忘れていて、大失敗したことがあって。「次のページまで見ていなかった!」と、それから1年間を俯瞰して確認できるページに書き込むようにしました。

▲大倉さんがお取引先のお誕生日を書くのに最適だというイヤリープランページ。1年間を見開きで俯瞰して見ることが出来るので、月初のお誕生日も事前に準備が出来るのだそう。


あと、来年と去年のカレンダーが載っていて前後3年を見開きで見れるページも利用しています。僕たちはイベントも多かったりするので。例えば次のイベントは、来年何月の第何週の木・金・土とか言われるとパッと日付が分からないじゃないですか、そういう時にこのページを見ると分かるのでありがたいですね。


▲2019年京都・即成院の庭で新元号「令和」をテーマに、能やファッションショー、弦楽器演奏会を観劇しながら京食材を使ったフレンチと酔鯨の日本酒を楽しむことができた新作発表会イベントの様子。


2022年の手帳は思い切って、一回り小さいNOLTY のB6のサイズにしてみました。

営業活動で移動や出張が多いのでコンパクトな方がいいかなと思って。それと代表になり、時間の使い方が変わってきたことで、スケジュール管理ページの活用方法が変わってきました。B6サイズはちょっとした挑戦です(笑)。まだ2022年始まったばかりなのにメモページはかなり使っていますね。




「手で書く」からできること


実は1度デジタルでスケジュールを管理しようと試みたこともあったんです(笑)。ただ、デジタルだと、予定が変更になった時、その予定を更新すると前のスケジュールの痕跡が残らない。僕の場合は、予定が別の日に変更になったときは、そのままバツをして、別の日にスケジュールを書き直すことにしていて、変更になった予定も残しておきたいんです。急な問い合わせが来た時に答えることができたり、スケジュールをリスケしたことから広がる話題もあると実感しているので。だから、どうしてもデジタルは合いませんでした。


それに書いた方が覚えるので、記憶の助けにもなるし、頭の中を整理できたりもします。表を書いたり、3Dっぽく図を描いたり、頭の中のものをアウトプットするのにも手書きではないとダメですね。





目標が見え、実現への道を創る1歩に



目標や未来のビジョンも手帳に書いています。僕が実家の酒蔵に転職した2013年5月、酔鯨は業績が低迷しており、とにかく落ち込んだ売上を回復させるために必死に考え、行動しました。「質の良い日本酒を造っているはずなのになぜ酔鯨が売れないのか」「日本酒業界が落ち込んでいるせいだからなのか」――考えたことやいただいたアドバイス、思いついたこと、なんでも手帳に書いていきました。



そこで気づいたことは「酔鯨にはビジョンを語れる人がいない」ということでした。「世界の食卓に酔鯨を」という酔鯨の目指すビジョンを掲げて、従業員のみんなにもお客さんが酔鯨をおいしそうに飲んでいる姿を意識してもらうように呼びかけていきました。


▲手帳のカバーポケットにはビジョンが書かれた酔鯨ポリシーカードをいつも入れて意識するように心がけているそう。


2016年には世界中の人がラベルを見て一眼で“酔鯨の日本酒だ!”とわかるように、高級ラインの商品には鯨の尾びれをイメージした“テールマーク”を使用するなど、リブランディングにも力をいれました。


▲左がテールマークのロゴを使用した「純米吟醸 高育54号」。右が昔から大事にしてきたロゴ「純米大吟醸 兵庫山田錦50%」


また代表就任時に10年以内の目標に「新しい酒蔵を建てたい」と手帳に書いたんです。



従業員みんなの意識、力などもあって、ありがたいことに就任3年目の2018年には土佐市に念願の新しい酒蔵を建てることができました!そして、さらにありがたいことに2021年には酔鯨の売り上げが10億を超えることができました。


▲2018年に完成した酔鯨酒造「土佐蔵」。酒蔵に販売所・カフェも併設。事前に予約をすることで工場見学もできます。


▲併設のカフェでは、生の甘酒をつかったオリジナルドリンクも楽しめます。




書くことは「覚悟」すること


僕にとって「書くこと」は、「覚悟すること」です。行動する時に必要なことで、「これをやるぞ!」って決めた時は特に、「文字にすること」は大切なことだと思っています。


そういう意味で「言葉」って大事で、もちろん話す言葉も大事なのですが、プラス、書くことで覚悟が決まるんじゃないかなって思います。書くことで、覚悟を決めてそれを実現させていくみたいな感じ。書き初めの風習もそうだし、多分日本人にとって昔から大事にしてきたことなんじゃないかなって思います。



とにかく、僕はこの1冊で仕事のことは全てを網羅できるようにしています。この1冊に全てを書いているので、冗談っぽく聞こえるかもしれないんですけど、何を落として困るかっていうと、この手帳ですね。



僕は、これからもきっといろんなことを手帳に書き続けるし、そうすることで、お酒を飲むところに酔鯨あり!、まさに「世界の食卓に酔鯨を」を従業員のみんなと一緒に実現していきたいと思っています。


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大倉さんにとって“書くこと”とは・・・・

・そのとき思ったこと・考えたことなど、どんな小さなことでも忘れない

・振り返ることも未来を創ることもできる

・文字としてアウトプットさせることで覚悟にする

・「世界の食卓に酔鯨を」を実現していくための手段

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酔鯨酒造株式会社 SUIGEI Brewing Co.,Ltd

高知県高知市長浜566-1

https://suigei.co.jp/

+オンラインショップ+

https://www.suigei-officialstore.com/

+YouTube+

日本酒女子のEnjoy SAKE チャンネル

+土佐蔵+(取材でお伺いしました!)

高知県土佐市甲原2001番地1




~編集後記~

大倉さんに「なぜNOLTYを使い続けてくださっているのですか?」と伺いました。すると「本当に丈夫で、1日に何回開いたとしてもページが取れてくることはないし、文字が裏には写らない、強く書いたとしても破れなくて、使い勝手が抜群なんです。ずっと使っているので、これじゃないと落ち着かないですね(笑)」とうれしいお返事をいただきました。企画・開発していた身としてはNOLTYシリーズの良さを実感していただいていることに感動しましたし、何より書くことで目標を意識し、実行されている素晴らしい行動力、そして、振り返る時間を作られて、さらに良い未来を考え、その未来を手帳に書かれて・・・という書くことで時間〈とき〉デザインを実現されている姿に触れられたことに喜びを感じました。



ーーーーーーー関連記事ーーーーーーーーーー

大倉さんの「わたしの時間〈とき〉デザイン」の記事

【 酔鯨酒造株式会社 大倉広邦 】 酒造りは未来を見る仕事。過去から学び未来へ活かし続ける

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※大倉さんの記事の感想や気づきなどは、ぜひコメント欄に書いて教えてくださいね!


14 件のいいねがありました。

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酔鯨大好きです!社長さんNOLTYなんですね。書くことで実現されていてすごいです、美味しいお酒をありがとうございます!

2022.02.18

ちょうど去年の年末から日本酒や焼酎に興味がありまして、なんとタイムリーな……!!!


酔鯨さん、恥ずかしながらお名前初めて聞きました(´∩ω∩`*)

これから酒屋さんに行ったら、是非購入してみます!


美味しいお酒も良い手帳も、やっぱり造り手さんの情熱が大切ですね(*^^*)


編集の皆さま、蔵元の皆さま。

お身体くれぐれも無理のないようにご自愛ください.☆.。.:*・°

いち消費者ですが応援しておりますd(˙꒳​˙* )

(なので、より良いものが出来るよう好みのお酒と手帳にお金は惜しまないのです(o´罒`o))

2022.02.19

ことばには魂が宿る、ということを実感したコラムでした。

あるアナウンサーの方が前にテレビで、

「フォントに騙されないことが大切」とおっしゃっていました。

同じ言葉でもフォントで印象が変わってしまう。

本当は言葉そのものの意味を理解しないといけない、というお話です。


昔の手帳を見ると今の自分の文字と違っていたりして、

よく当時の感情を思い出すなぁ…とコラムを読みながら考えていました。

(そして、後でめちゃくちゃ恥ずかしくなる笑)


2022.02.20

自分の熱い思いを他者に受け止めてもらうのではなく手帳を受け止めてもらうのが実現の道なんだなと感じました。

書くことを愉しもうと思います✨

日本酒を飲みながら書くのもいいなー🍶

2022.02.23